学校法人東京物理学園職員組合結成趣意書
  
 人は時代と共に生き時代共に進まねばならぬ職業人としての吾々が同じ職場の上に立つ当然の在方を確立する為めに機運の熟した今日職員組合を組織し、日本国憲法第二十八条による保障の線に沿って団体の形態を整え各自共通の利害に深甚の関心を持ち共に考え共に対処せんことを希うものである。凡そ一般の事例として組合を包容する事業体制にあっては自然に民主化的訓練が全面的に行渡る為めか所謂労使関係の対立尖鋭化というようなことも却って未然に緩和されるもののようであり、これこそ平和を好む何人もが望むところであろうし本来ならば学園に於ける職員組合の実現はつとに具体化されているべきであり若し既に実在し成長して居ったならば寧ろ全学園の為めにも時に其窓口となり適当の換気ともなって其の後の諸情勢にも何等かの変化が齎らされたであろうことを思わしめる。吾々が組合の成立を志す上からは事に処して常に公正妥当の結論を打ち出すことに協力し之が為めにの合理性と判断とは吾々の知性と良識にかけて断じて誤りなかるべきを確信するものです。ここに吾々職員の総意を盛り込み組合規約の成文を決定し全員の一致協調により之が運用に万全を期せんと欲するものです。最後に本組合の規模が数に於て大ならざるの感はあるが始めより多きを求めて 日を重ねるよりも敢えて先発して第一歩を踏み切り正道に立って誤るところがなければ、やがては学園多数の正しい理解と支持と参加を得る所以ともなるべく学園民主化の為め衷心より之を待望して止まぬものである。
  
昭和二十九年九月